東京産業が新潟・阿賀野ソーラーパークを売却か

三菱重工業などが出資している東京産業株式会社(東京都千代田区、蒲原稔社長)が新潟県阿賀野市の同社所有の太陽光発電施設を売却することを明らかにした。売却するのは2021年10月に営業を開始したメガソーラー、阿賀野ソーラーパーク(出力23メガワット)とみられる。売却先は国内1法人としており具体的な社名は明らかにしていない。

新潟県阿賀野市の阿賀野ソーラーパーク=2021年10月1日の東京産業リリースより

阿賀野ソーラーパークは新潟県阿賀野市のゴルフ場跡地約40万平方メートルに東京産業が建設し所有しているメガソーラーで、2021年10月1日より営業運転を行っている。同社が今年3月15日に発表した「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」によると新潟県阿賀野市所在の太陽光発電施設を売却することを決定、売却先については具体的に明らかにしていないが国内1法人だとしている。阿賀野市内で東京産業が所有している太陽光発電施設は阿賀野ソーラーパークしかないことから同ソーラーパークを売却するものとみられる。月内にも売却される予定で、阿賀野ソーラーパークは営業を開始してからわずか2年半で所有権が移転する見通し。

東京産業は、静岡県函南町でのメガソーラー開発計画をめぐり昨年4月、計画から撤退した株式会社トーエネック(名古屋市)から64億8000万円の賠償金支払いを求める民事訴訟を起こされたほか、昨年11月には同社が関係するメガソーラー案件において 長期未収入金の担保としていた対象資産が同社の承諾のないまま他に譲渡されていたなどとして外部調査委員会を設置しておりメガソーラーをめぐり問題が相次いでいる。また昨年9月には循環取引をしていたとして元社員が詐欺容疑で警視庁に逮捕された。

東京産業は阿賀野ソーラーパークをいくらで売却するのか明らかにしていないが、売却による利益は概算で29億円だとしている。売却について東京産業は「太陽光関連ビジネスを巡る事業環境を踏まえた資産構成見直しの一環」としているものの、直近の同社業績は赤字に転落していることから赤字を補填し経営の立て直しを図る一環として阿賀野ソーラーパークの売却に至ったものと考えられる。

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