函南メガソーラー開発とイーミュージック だれが用地取得を担っていたのか?

静岡県函南町で計画されたメガソーラー開発は中部電力子会社のトーエネック、東京産業、ブルーキャピタルマネジメントの3社のスキームで進められたが、地域の根強い反対を受けてトーエネックが2023年1月24日の取締役会において撤退を決議したことで頓挫した。現在、この3社は名古屋地裁で民事係争中だが、提訴からすでに3年の月日が経とうとしている。地域住民がこの計画の存在を把握したのは用地の買収が行われた後で、広大な山地はすでに開発者の手に渡っていた。3社のスキームが始動するより前に函南では名の知られていない企業や実態不明な勢力が蠢いて土地の取得を試みていたのだ。ねっと特報は、メガソーラー開発の実態に迫るべく引き続き函南メガソーラー開発計画を追及している。問題をここで整理してみよう。

2015年ころから始まっていた

函南メガソーラー開発計画はトーエネック、東京産業、ブルーキャピタルの3社によるスキームで開発が進められたが、初期段階を担った企業は別にあり、それら企業として函南太陽光発電合同会社、函南メガソーラー株式会社、合同会社函南メガソーラーパークがある。例えば富士市内の事業者が所有していた函南町軽井沢地区の土地は平成28(2016)年に函南太陽光発電合同会社に売却された後、平成30(2018)年にブルーキャピタルに所有権が移転している。この土地はもともと住民が屋根葺きや農業用肥料として使う茅を採取するための土地だったようだが、昭和47(1961)年に不動産業者に売却された後、宗教団体の法の華三法行に渡り、法の華三法行が教祖逮捕により解散したことに伴い富士市内の事業者に売却されたものだ。

函南町軽井沢地区で配られたEM groupと合同会社函南メガソーラーパークの名前が入った名刺

用地買収の取り組みは、2015(平成27)年ころから始まっていたようで、函南町軽井沢地区や田代地区では男たちが山地の所有者宅を訪れて買い取りをもちかけていた。男たちは合同会社函南メガソーラーパークと記された名刺を住民に渡しており、その名刺にはEM groupという名前も大きく記されていた。そして本社住所として東京都千代田区東神田が、本店住所として東京都新宿区住吉町の2つの住所が記載されていた。合同会社函南メガソーラーパークは函南メガソーラー開発の太陽光発電設備IDを最初に取得した企業とみられており、主要な役割を担っていたと考えられる。

登記によると、合同会社函南メガソーラーパークは平成25(2013)年に設立されており、所在地は東京都新宿区住吉町で、これは山地の買い取りをもちかけていた男たちが持っていた名刺の本店住所と同じである。この会社の代表者と同じ名前が、伊豆市の山頂にある宗教法人、平和寺本山の代表役員の名前としてしばしば登場するほか、音楽プロデューサーの小室哲哉氏が芸能事務所として一時期契約したとされる株式会社イーミュージックの役員の名前としても登場する。平成27(2015)年3月5日号の週刊文春は『「小室哲哉」を使って1億6千万円集めた詐欺師集団』とのタイトルでイーミュージックが「EMサポートクラブ」という持株会社を作って詐欺まがいの投資ビジネスを行っていると報じているが、函南メガソーラー開発の用地買収に奔走していた男たちの名刺にはEM groupとの記載がある。果たして合同会社函南メガソーラーパークと平和寺本山、そしてイーミュージックにはなにかしらの関係があるのだろうか?

分割して会社を作っていた

イーミュージックの登記を調べたところ、平成27(2015)年3月にイーミュージックから分割した会社があることがわかった。この会社の設立当時の住所は合同会社函南メガソーラーパークと同じ住所で、合同会社函南メガソーラーパークの代表者の名前が役員に記載されていた。この役員の名前はイーミュージックの登記にも役員として記載されている。この会社は設立後、本店住所を東京都千代田区東神田に移しており、この住所は用地取得のために動いていた男たちの名刺に本社として記載されていた住所と同じである。

つまりEM groupと合同会社函南メガソーラーパークと記された名刺には合同会社函南メガソーラーパークとイーミュージックから分割した会社の2つの会社の住所が記載されていたのだ。イーミュージックから分割して会社が作られた2015年3月は、週刊文春がイーミュージックの怪しげな投資ビジネスを報じた時期と重なり、また、函南メガソーラー開発の用地取得のため函南町軽井沢地区などにEM groupと記された名刺を持った男たちが現れた時期とも重なる。3つの法人には同一人物とみられる人物が役員として名を連ねていることを踏まえれば、イーミュージックが函南メガソーラー開発の用地取得の取り組みに関わりをもっていたと考えて間違いないのではないか?しかし、そもそもイーミュージックとはどのような企業なのだろうか?

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