兵庫県の元県職員の公用パソコンにあったとみられるデータや兵庫県がこの元職員に対して行った内部調査の音声とみられるデータがネットに流出している。また報道によると、兵庫県議会の調査に対して複数の県議がこの元県職員の私的な情報を県幹部職員から聞いたと証言したという。この幹部職員は部長職として内部調査に携わったが、体調不良などを理由に今年8月に総務部付となっている。
兵庫県は今年3月、年度末に退職が予定されていた県職員が内部告発文書を配布したとしてこの職員の退職延期を発表して内部調査を行い、使用していた公用パソコンのデータを押収するなどした。当時、部長職にあった幹部職員はこの内部調査に関与した。調査を受けたこの職員は、今年4月に公益通報制度の通報相談窓口に通報、一方、県は5月に停職3カ月の懲戒処分を行った。兵庫県議会は内部告発文書、公益通報に関し調査特別委員会(百条委員会)を設置して調査に乗り出したが、7月にこの県職員は死亡した。自殺とみられている。その後、県議会が斎藤元彦知事に対する不信任案を全会一致で可決、知事は辞職して出直し選挙が行われ、斎藤氏が再選を果たした経緯がある。11月に行われた兵庫県知事選では内部調査を受けた元職員に関する私的な情報とされる内容がネットに飛び交い、公用パソコンの内部ファイルとされるデータや内部調査時のものとみられる音声などもネットに流出した。
斎藤知事は再選後、記者からの質問に対して、ネット上に公開されている兵庫県の内部データとみられるデータについて内部流出を否定、公開されているデータの真偽も不明だとして第三者委員会を設置して検証する意向を示した。そのため兵庫県はネットに公開されて拡散している恐れのあるデータが兵庫県の内部データなのかどうかについて未だ明らかにしていない。そうした中、メディア報道によると兵庫県議会の百条委において、複数の県議が内部調査を行った県幹部職員から調査を受けた元県職員の私的な情報を聞いたとの証言が行われたという。この県幹部職員は百条委でのこれまでの証言で内部調査によって得られたこの元職員のプライバシーにかかるデータを持ち歩いたり、だれかに見せたりしたことがあるのかとの委員からの質問に対して「私自身は守秘義務違反と評価される違法行為はしておりませんが、質問自体が守秘義務違反に関するものですので証言を控えます」などと述べて証言を拒否している。報道によると兵庫県は弁護士に調査を依頼して対応する方針だという。
■参考
https://www.sankei.com/article/20240829-I7672IG3YZOJ3NY6WKUDVAY2UM/
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202412/0018453176.shtml