韓国の国家情報院によると、北朝鮮のITグループが韓国で運営されている違法なギャンブルサイトの制作を受注して不法に外貨を稼いでいたという。アメリカ当局は昨年、北朝鮮IT労働者が制作等に関与しているとみられるウェブサイトの17のドメインを差し押さえている。
韓国国家情報院によると、ギャンブルサイトを制作していたのは中国の丹東市で活動している慶興情報技術交流士というグループで、韓国の不法組織から発注を受けて数千ものギャンブルサイトを制作していたほか、制作したサイトの管理者権限を悪用して得た会員の個人情報をデータベース化して販売しようとしていたという。サイト制作は1件5000ドル、維持・保守名目で月に3000ドルの収益を得ていたという。グループは計15人で、分業でサイトを制作し得た収益のうち1人当たり月500ドルを平壌に上納していた。
国連の対北朝鮮制裁決議により北朝鮮労働者の海外派遣や雇用は禁止されているが、中国人身分証を偽造し、IT業界従事者の経歴証明書を盗用するなどして国連の制裁決議を回避してサイト制作等を受注していたという。制作費は中国人名の銀行口座や韓国のサイバーギャンブル組織の口座を使って送られていた。韓国の国家情報院によると、慶興情報技術交流士は朝鮮労働党39号室傘下の組織で、中国・丹東市の所在地は朝鮮族の事業家が所有・運営している金鳳凰複式有限公司という衣類工場の寮になっているという。
昨年、アメリカ当局は北朝鮮のIT労働者が他人になりすまして受注し制作したとみられるウェブサイトの17のドメインを差し押さえ、中国とロシアに拠点を置く2社と1個人を制裁指定した。韓国の国家情報院が明らかにしたギャンブルサイトの制作では、韓国国内の不法組織が何千ものサイト制作を発注、発注元は北朝鮮IT労働者が制作していることを知っていたが制作コストが低いことや韓国語でコミュニケーションができたことから取引を続けていたとみられるという。
■出典
https://m.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20240214500151&wlog_tag3=naver