以下は神戸市議会が公開している議事録より、王子公園再整備に関する主な答弁について令和2年第2回定例市会(11月市会)から令和3年3月23日の建設防災委員会までの分を抜粋しまとめたものである。
令和2年第2回定例市会(11月議会)(第9日)
■自民 安達和彦議員
最後に,王子公園駅周辺の再整備について,お尋ねをいたします。
昨年,人口減少対策,リノベーション・神戸として,神戸市西部の主要駅,名谷・垂水・西神中央駅周辺のリニューアル活性化策が出され,公共交通を生かす観点から駅前再整備が推進されようとしており,評価をいたしております。また,神戸市北部においても,市長の大英断による北神急行の市営化で大幅な料金低減を実現し,北区のみならず大きなカンフル剤になることが期待されています。
このように駅前再整備による地域のポテンシャルの向上は,神戸市北西部に限らず,市全体にとっても大きな力になることが期待されるため,そのような観点から,例えば王子公園駅周辺の再整備についても推進すべきではないかと思われます。この一帯は,かつて灘文化軸として,文教地区の一画をなし,現在はミュージアムロードの名で親しまれている一帯でありますが,決して駅前の高いポテンシャルを生かし切れているとは言えない状況であります。リニューアルが待たれる王子動物園の部分はともかくとして,王子スタジアム部分を含め,少し幅広に王子公園駅周辺の再整備を,大胆かつ速やかに検討すべきと考えますがいかがでしょうか,御見解をお尋ねをいたします。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
■久元喜造市長
王子公園の再整備につきまして,お答えを申し上げます。
王子公園は,その周辺も含め,交通利便性が高く,文教エリアに位置する貴重な場所です。駅周辺の再整備に向けた取組が必要ではないかと感じております。特に駅に隣接する王子公園につきましては,様々な課題があります。
まず,王子動物園は神戸市民だけではなく,近隣府県をはじめ多くの方々から親しまれておりますが,開園から70年目を迎え,施設,設備の老朽化が進んでおります。陸上競技場王子スタジアムにつきましても,供用開始から60年以上が経過し,施設,設備の老朽化が進んでおります。現在,アメリカンフットボールの試合会場などとしては利用されておりますものの,陸上競技場としては陸連公認施設からは除外されたこともあり,本格的な陸上競技利用はなされていないというのが現状です。さらに王子公園は総合公園であるにもかかわらず,地域住民や周辺の美術館などへの来訪者などが立ち寄る場所や,散策したり,憩いくつろげる空間が少ないという現状もあります。
このため,王子公園を含む駅周辺の再整備を行う必要があると考えておりまして,多くの文化・教育施設と住宅地から成るこの文教エリアのポテンシャルをより高めることを念頭に,検討を進めていきたいと考えております。王子動物園のリニューアルに加え,陸上競技場の在り方や,市民が憩い,くつろげる空間の創出など,王子公園駅周辺のまちづくりを,柔軟かつ大胆な発想を持って,スピード感を持って早急に検討していきたいと存じます。
■自民 安達和彦議員
王子公園周辺の件でございますけれども,ぜひとも,先ほど市長から力強いお言葉頂きましたけれども,若者に選ばれるまちの理念,取組を推進していただくためにも,その先導的なエリアとして,王子公園周辺のポテンシャルを高め,さらに斬新な具体策,例えば新たな大学の誘致なども含め,積極的に検討を進めていただくことを要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。
http://www.city.kobe.hyogo.dbsr.jp/index.php/4793597?Template=doc-all-frame&VoiceType=all
令和3年建設防災委員会 本文 2021-02-22
■自民 平井真千子議員
王子公園の再整備のことが先日発表されまして,私どもも以前から,やっぱり駅前にある,あれだけ広大な公園で,たくさんお客さんも来られる中で,もっと面積的な,うまい使い方ないのかなとかいうこととかも申し上げてましたので,非常に嬉しく見させていただいておるんですけれども,その中で王子公園の核となります動物園の部分について,ちょっと何点か不安もあるので,お聞きをさせていただきたいんですけれども,これから公園全体のゾーニングとかもされていくと思いうんです。企画調整局と,そこは役割分担の中でされていくと思うんですけれども,動物園もそれに合わせて中身もリニューアルされていくとかいうことなんですけれども,今,動物福祉とかいうことも非常に言われてまして,国際的な基準というか,規制とかも変わっていってる中で,例えば,何かおりというか,獣舎を新しくしないといけないということが生じたときに,今までと同じ面積では同じ動物は飼えないというような品種も出てくるかと思うんですけれども,そうしたときに──だからその面積というのが単純に今と同じでいけないというような状況が出てきたときに,全体的な公園の,今,局のほうで絵を描こうとしてるゾーニングと,動物園のリニューアルとか,そごを来すことがないのかなということをちょっと不安に思っておりまして,そういった意味からも,動物園としてはどういう品種はこれからも絶対こう飼育を続けたい,規制が変わっていく中で,もうこういう品種は撤退してもいいだろうとかいうことも含んだ,動物園の在り方に関するそのマスタープランのようなものをしっかりとつくっていかないといけないんじゃないかと思うんですけれども,その点について,今どういう進め方でお考えなんでしょうか。
■三島建設局長
委員御指摘のとおり,現在,神戸市のリノベーション・神戸の1つやと思いますけど,王子動物園も含めて王子公園を再整備していくということを発表させていただいている段階でございます。
その中,王子動物園は令和3年3月で,もう開園から70年を迎えます。そういう形では,施設も老朽化が進んでおりますし,委員御指摘のように,近年求められています動物福祉の観点から,やはり施設が手狭やとか,あと展示方法が古いとか,いろいろな多くの課題を抱えてます。そういう中で,動物園に求められている役割としては,種の保存と調査研究,環境教育,それとレクリエーションという4つの役割がございますが,それをあの今の王子動物園が十分果たせているかと言えば,言えないような状態があると思っております。
そんな中で,王子動物園を再整備するに当たりましては,やっぱり都市型動物園ということがありますので,そのポテンシャルを最大限に生かしながら,動物園に求められている役割を踏まえまして,何度でも行ってみたい,行ってよかったと思われるような魅力的な動物園に再整備していきたいと思っております。
そのような中で,やはりマスタープランというか,基本方針をどう定めていくかというのは大事でありますので,まずは王子動物園の再整備を検討していくに当たりましては,来年度早々に有識者会議みたいなものを起こしまして,様々な意見を聞いて,その中で動物園の方向性を定めて,基本計画なり,そういうものにつなげていくと,まずはそういう方針,マスタープランというか,そういうものをつくっていきたいということを考えております。
その中では,やはり委員御指摘のように,どういう動物のコレクションにしていくかっていうことも1つの大きな課題やと思ってます。今,ワシントン条約がありまして,なかなか絶滅のおそれがある野生動物の種は,国際取引ができないっていう形があります。そんな中で王子動物園はどう考えていくかとか,そういうことも,先ほど言った有識者会議の皆さんから御意見いただいて,どうしていくべきやと,その中でコレクションどうしていくべきやも踏まえて意見をいただいて,全体の基本方針的なものをつくっていきたいと思っております。
■自民 平井真千子議員
ありがとうございます。基本方針的なものをつくっていかれるということで,頑張っていただきたいなと思います。須磨水族園なんかもそうだったんですけれども,リニューアルとなったときに,動物愛護の団体の方とかから,非常にいろんなお声がどうしても寄せられてしまう,どういうやり方をしても,なかなか,そういう方たちは,動物っていうのを見せ物にするということ自体が絶対駄目だという向きの御意見なので,絶対前向きな御意見というのは,そういう方からは得られないんですけれども,やっぱりそういうことが出たときに,神戸市としてはこの動物園,今,社会教育施設みたいな機能,種の保全とか,いろんな機能があるので,4つの機能ということで今言われましたけれども,そのことを,こういう方針を持ってしっかりやっていくんだという説明ができるということが非常に大切なのかなと思っていますので,それとああいう都市型のというところでは,いろんな種を,あれもこれも何でも展示できますっていうことよりは,やはり市民の方にしっかり学んでいただく場としての機能ということが自然と大事になってくるのかなというふうにも私は思っております。
そういう意味からも,単なるレジャーとか見せ物の場ではなくって,いいものにしていくということが非常に大事だと思っておりますので,そういう面で有識者の声を聞くというのは非常に大事なのかなと。今も,もちろん内部にも優秀な専門家の方もいらっしゃるとは存じてますけれども,やはり外部の方のお声で,今いろんな,全国の動物園もすごく改革とかが進められているところですので,ぜひそういう知見を入れていただきたいなと。有識者会議って,ともすると神戸市が主体性なく,何でも第三者に物聞いてるっていう感じで,前向きに受け止められないところもあるんですけれども,事この動物園に関しては,ぜひ外部の声を聞くっていうことが大事かなと思いますので,その方向でしていただいたらいいとは思うんですけれども。ただ,有識者会議って,この限られた有識者の方だけが入る場ですし,市民に対してそれほどオープンって言えるものではないと思いますので,やっぱりこの動物園のリニューアルって,市民の方もすごく注目している,コアなファンも品種ごとにすごくいらっしゃるっていう中で,市民の方の思いみたいなんを反映できる場もこれから必要なんじゃないかなと思うんです。
それと,先ほど言いましたように,市民の方に学んでいただく社会教育施設としての価値を高めていこうと思えば,そのリニューアルの時点からプログラムづくりとかに,市民の方にとか研究者の方,いろんな層の方に入っていただくっていうこともすごく大事なんじゃないかと思うんですけれども,ぜひちょっとそういう場も同時に考えていただきたいんですが,この点いかがでしょうか。
■三島建設局長
まさしく,有識者会議って言いましたけど,そういう形で委員の選定をどうしていくかというのは,非常に重要なことだと思っております。その中で,委員御指摘のように,社会教育っていうか,そういう教育の活動っていう場にもなるでしょうという形でございますので,例えば動物園で動物園教育みたいな形で,そういう子供たちにアクティブ・ラーニングみたいなことで使って,研究されている学者の方もいらっしゃると私は聞いてますし,そういう方に御意見聞くというのも1つの手法でしょうし,言われるように,いろんな視点で御意見がいただけるように,委員の方は選定していくことを考えていきたいと思っております。
また,もう1つが,先ほど言われました市民の方々から御意見も大事ではないかと,熱烈なファンもいらっしゃるという形でございます。そういうことで,やはり今回非常に大きな事業でございますので,そこについてはしっかりやっていく必要があるかなと思っておりまして,ただ,今回,動物園だけでなくて,王子公園も一緒に再整備をしていくということもございます。動物園と公園とがどういう形で関わっていくかも大事なことになりますので,そういう形では,企画調整局が役割分担では全体のゾーニングから再整備のほうは担いますし,動物園はうちのほうがある程度やりますけど,やっぱりそこは連携してやっていかなあかんということでございますので,市民の意見のそういう聞き方も含めて,それについては,しっかり企画調整局と相談しながらやっていきたいと思っております。
■自民 平井真千子議員
市民の意見の聞き方といっても,私は別にパブリックコメントをしてくださいとか,そういうざっくりの──もちろん必要にはなってくると思いますけれども,そういうことだけじゃなくって,もっと参加型のというか,広く市民とかファンとか言えば,参加型ということになるでしょうし,やっぱり教育施設としての中身を充実させていこうと思ったら,研究者の方とかの知見を生かせる部分とかも必要とは思いますし,だから,それがどういうやり方かっていうのは,そこまで私もよく分からないんですけれども,例えば,ちょっと調べてみただけでも,札幌の円山動物園であったら,ずっとその市民会議みたいな形で,昔から市民の方と一緒に動物園の在り方を考えましょうみたいな会議をされてまして,それはそれで難しさもあるとは思うんですけどね,それも結局,限られたその市民会議のメンバーだけの話にはなってしまうので,それがいいというわけでもないんですけれども,何か単にパブリックコメントとか,そういうインターネットで,メールで御意見寄せるっていうことだけではなくって,みんなで協働でつくり上げていくというか,そういうものになってほしいなと思います。
今も,市民参加型のイベントとか,動物園もちろんされてますけれども,それもちょっとレジャーとかの切り口のものも──写真撮りましょうとか,すごく楽しくていいんですけど,その切り口からだんだん動物への興味ということで教育にはなっていくんだと思うんですけれども,何かこうもっと,マニアックな方にも満足できるようなメニューとかもあってもおもしろいなと思いますし,まさにそういう,マニアに対して遡及していくっていうのが,今いろんな分野で大事なのかなと思いますので,ちょっとその辺アイデアを練りながら,別に急ぎませんので,急いで有識者会議して,ばたばたとマスタープランつくってほしいというわけではないので,しっかり練り上げていただきたいということをお願いしておきます。よろしくお願いします。
■自民 岡村正之議員
まずは,いつも安心・安全で住みやすいまちづくり,ありがとうございます。今後も引き続き,よろしくお願いいたします。
それでは質問に入ります。建設局としまして,王子公園再開発,特に大学誘致にどのように関わっていこうとしているのか,ちょっとお聞かせいただきたいんですけど,企画調整の2,000万,調査予算は取ってると思うんですが,どのように関わっていくのか教えてください。
■三島建設局長
この王子公園の再整備については,これ神戸市挙げてみんなの局が協力してやっていくということでございます。ただ,やはりメインは企画調整局が全体の調整をしていくというところでございます。
大学の誘致の部分につきましては,まさしくそれは企画調整局が所管されておりまして,当然,どの部分に大学誘致をするのかっていうこともあるでしょうし,その辺のことについてもゾーニングをされると聞いてますんで,そういう情報のやり取りをしながら,基本的には,うちは王子動物園のところと,あと公園をどうするかっていう話もございますが,そこの連携を取りながらやっていきたいと思っております。
■自民 岡村正之議員
分かりました。大学誘致に関しては,主に企画調整局のほうでということでということですね。理解しました。じゃあ,そちらのほうへちょっと尋ねますので,私からは以上です。
■無所属 村上立真
動物園の話になっちゃうんですけど,先ほども,しっかり練り上げてくださいねという話であるとか,あるいは建設局がどういうふうに王子公園全体の再整備に対して関わっていくのかというふうな御議論も出ましたけど,確実にこの建設局の皆さんが関わるであろう,関わっていかないといけないというところは,やっぱり王子動物園の部分だと思うんですよね。その上で,王子動物園が今まで長い歴史がありますけど,私は殊さらジャイアントパンダの話ばっかり取り上げてますけど,それに限らず,何ができて,何ができなかったか。こんなものがあれば,もっとこんなことができたのに。こういうのをもうちょっと予算つけてくれたら,こういう施設ができて,こういう人材を王子動物園に連れてきて,こういうことできたのにということを,今からはやっぱり建設局の皆さんが,自分たちの調査で,自分たちの口で説明できないと,これは予算に絶対反映されないことなんで,その経験と知恵と現場の声を聞けるのは建設局の皆さんだけですから。私がずっと検証,検証と言ってるのは,そういうことなんですよ。せっかくこうやって,久元市長の方針でダイナミックにこの王子公園,王子動物園周辺が変わろうとしてるときに,それをしっかり皆さんが説明しないと,それは絶対反映されないですから,そこをしっかりと今から時間かけて練り上げてくださいねって話もありましたけど,しっかりそこを検証してください。何が足りなくて,何ができなくて,何が必要なのか,そこをちゃんとやっていただけるように,これはもう答弁求めませんので,要望にしておきます。よろしくお願いします。
令和3年第1回定例市会(2月議会)(第3日)2021-02-26
■共創・国民民主神戸 諫山大介議員
最後に,王子公園再整備についてお聞きします。
先般発表された王子公園再整備は,駅前を中心とする全市的なリノベーションの中でも,敷地内周辺エリアに多くの教育・文化施設,歴史的構造物が立地する文教エリアであること,年間100万人以上が来園する動物園と,大規模なものを含め複数あるスポーツ施設が関係している点において注目しております。
文教エリアであるポテンシャルを生かした地域ブランドの向上を目指し,大学誘致や新スタジアム,芝生広場の整備を含む王子公園の再整備に向けた関連施設の調査検討等を行うとのことでありますが,現施設を利用する団体のヒアリング等を含め,今後どのように検討を進めていくのか御見解を伺います。
■今西正男副市長
私のほうから王子公園の再整備について御答弁申し上げます。
王子公園は動物園やスポーツ施設などを擁し,幅広い層に利用される,駅に隣接した利便性の高い大規模公園でございますけれども,全体的に老朽化・陳腐化してございまして,このたび再整備をする方向で検討しているところでございます。
再整備の方向性でございますけれども,動物園については,おおむね現在の位置でリニューアルして,大学の立地場所は東側の王子公園スタジアム周辺とすることを想定をしているところでございます。
スポーツ施設につきましては,利用状況や代替施設の有無などを勘案しながら再編をしたいと考えております。
また,王子公園駅近いエントランス部には,芝生広場などを確保する方向で検討を進めたいと思っているところでございます。
今後の進め方でございますけれども,まず,交通インフラの検討などに必要な基礎的調査を行いまして,公園全体のゾーニング,施設レイアウトの検討を進めていきたいと考えております。
また,動物園のリニューアルの検討につきましては,公園全体のゾーニングなどの検討とは別に,有識者会議を設け,都市型動物園に求められている役割・展示方法などを議論していく方向でございます。
一方,スポーツ施設につきましては,利用団体などに利用状況など,ヒアリングを既に始めているという状況でございます。
スケジュールでございますけれども,令和3年度のできるだけ早い段階で,公園全体の再整備計画素案を取りまとめ,利用者・地域住民などの御意見を伺っていきたいと思っております。その上で,令和4年度に大学公募と一部の事業について着手をしたいというふうに思っているところでございます。
文教エリアのポテンシャルを生かして,地域ブランドの向上に資するよう,スピーディーに取り組んでまいりたいと考えております。
■共創・国民民主神戸 諫山大介議員
最後,王子公園の再整備なんですけれども,こちらはいろいろ今,進められるということで,前向きなものでありますから,何を止めろとか,それではないんですけど,非常に私自身も思い入れのあるエリアですから,要望というか,御意見,3点,お伝えしたいと思います。
大学誘致に関しては,東エリアということですけども,にぎわいだけで終わらせず,もし誘致できれば,これを機に,近隣の学校部,高校だけでも市立葺合,松蔭,海星女子とありますので,意見交換する場を設けるなど,文教エリアの魅力を深掘りする仕組みをぜひお願いしたいということですね。
動物園に関しては,今並行してしていくということなんで,今ここで議論はしませんが,アニマルウエルフェアの観点も生かしながら,魅力ある空間にしていきたいということと,今,シロサイとか帰ってしまうパンダなどは,王子公園に縁があり,出会えない動物,こういうのはARとかVRとか,パンダ宿舎が残っていても,スマホをかざせばそこでタンタンが見れる,動いてるタンタンが生で見れるとか,今の神戸市,メリケンパークもAR使われるということですから,十分できるかなと思うんですね。どうしても空き家にしただけではなく,過去にいた諏訪子でもいいですけども,そういったICTを活用した,新たな展示も探っていただきたいと思います。
スポーツ施設なんですが,恐らくこれ,アメフトなどが非常に中心になっているスタジアムで,登山研究所,弓道場と渋いスポーツ施設が集積していますので,ぜひ現在の利用状況が広がる内容になっていただきたいということで,王子スタジアムだったら,5,000席あれば,注目のカードが誘致できるともお聞きしております。
プールも実はあるんですね,王子プールの。50メートルプールは正直,活用はほぼされていない,試合もしておりません。そちらは再整備の種地になる可能性があるなと推測できるんですが,幼児プールが,これ大人に子供にで,1,000円程度でゆっくり遊べる,非常に市民に好まれているエリアでして,こちらがもし全くなくなるというのは寂しくなるなと思います。
これは幼児プールの親水機能,こういうものが残せないか。例えば動物園内でペンギンを見ながら泳げるとか,新しい仕組み,そんなんもありじゃないかなと思っておりますので,ぜひお願いしたいと思います。
市長,最後,お時間ありません,再整備に対するコメントを少しいただけますでしょうか。
■久元喜造市長
これは,これから,令和3年度に再整備計画をつくることにしておりますので,今の諫山議員の御意見もですね,ペンギンと一緒に泳げるかどうかというのは,ちょっと自信がありませんが,御意見も踏まえながら,再整備計画の作成に取り組んでいきたいというふうに思います。
令和3年予算特別委員会第1分科会〔3年度予算〕(企画調整局)2021-03-02
■公明 吉田兼治議員
それでは,早速質疑をさせていただきたいと思います。5問ありますので,簡潔にお尋ねいたしたいと思います。
まず第1点目は,王子公園の再整備でございます。
先般,王子公園,老朽化で動物園の再整備といいますか,新しくするということと合わせて,隣にあります陸上競技場,私なんかは,あそこリレーカーニバルやってて,大変懐かしい陸上競技場なんですが,残念ながら解体をして,あそこに大学を誘致するというふうに先般お伺いをいたしました。この大学を誘致するという目的は何かと。どういったことを期待をして,大学の誘致という案をお出しになっているのか,まずお尋ねをしたいと思います。
■林企画調整局担当局長
私のほうから,王子公園についてお答えしたいと思います。
王子公園につきましては,動物園,スポーツ施設などの老朽化・陳腐化を含め,様々な課題に対応するために,動物園のリニューアルあるいはスポーツ施設の再編に加えまして,そのポテンシャルを十二分に生かすべく,新たな機能として大学誘致を目指して,神戸全体の整備を進めることといたしております。
この王子公園ですが,阪急の王子公園駅でありますとか,JRの灘駅に近接する大規模な公園であります。それからまた,六甲山系の山並みを背景に,周辺に多くの教育・文化施設等を有する文教エリアの重要な部分を占めているということでございます。このポテンシャルを生かした再整備を検討する中で,1つには,文教エリアにふさわしいものであるということ。それから2つ目には,広く若者を呼び込めるものであるということ。それから,地域のブランドあるいは神戸市全体のブランドの向上や,あるいは持続可能な社会の構築に役立つものであるというような,こういった観点から大学を誘致することといたしています。誘致しましたら,当然その効果が出てくるということで,直接即時的なものから間接長期的なものまで,様々なものが考えられるわけでございますが,今般取りまとめております神戸2025ビジョンにおきましても,このSDGsの考え方を取り入れ,山と海が育むグローバルな貢献都市をテーマとし,ポストコロナ時代を見据えた様々な施策を講じることとしておりますけれども,その中でも,特にこの大学といいますのは多くの施策を支える重要な役割を担っております。例えば若者の流入促進であります地域の活性化あるいは国内外の高度な知的人材の集積,新産業,起業家の創出,地域課題・社会的課題の解決,さらに大学から輩出される人材につきましては,各分野での活用,ひいては神戸市への定住等々,将来にわたり神戸への貢献というものはいろいろな側面で期待ができるのではないかなというふうに考えております。もちろん単に大学を誘致すればいいということではなくて,連携してこの施策を講じることが非常に重要であると考えておりまして,この知の拠点を最大限生かせるよう努めていきたいというふうに考えております。
■公明 吉田兼治議員
まず動物園なんですけれども,動物園というか,王子公園のこの大学の誘致ということなんですが,王子公園全体で動物園があって,今現在,陸上競技場があって,あとスポーツ施設が一部あると。これ全体で王子公園ですわね。この王子公園全体を捉えてということを考えると,やっぱり動物園と何か親和性のある大学といいますか,一番端的なのは獣医学部とかごく自然ですよね。動物園の隣に獣医さんの大学があると。極めて自然かつ,ああそうかねと,こう思うわけでありますけれども,全く動物園と関係のない分野の大学が,動物園,これちょっと語弊があるかも分かりませんが,やっぱり動物園の横って臭いしますし,まあまあ建物ちゃんとしときゃ大丈夫だということかも分かりませんが,やっぱり全体のこの王子公園はこういうところなんだという,その相互の関連性とか,ストーリーとかが必要なんじゃないかなと思うんですけれども,確かに若い人たちを呼び寄せる,あるいは人材育成の拠点にする,一般的に大学ってそういう機能を持っているし,期待をしているわけだから,そういう機能を期待して大学をここに誘致するというのは分からんわけじゃありませんけれども,でも,ここである必要はないですね。動物園の横である必要はあるのかと。やっぱりそういう関連性とか,何かやっぱりストーリーがあるべきじゃないかと思いますけども,ちょっと簡単に,なかなかそれが今どういうふうに組み立てられるかっていうことを御検討中なんだと思うので,無理やり答えろとは言いませんけれども,1つは,それがどうかということです。
■林企画調整局担当局長
王子公園の御指摘いただきました。確かに,委員おっしゃるような動物園と関連づけて考えるというのも1つの考え方かなと思います。我々が今持っています大学のイメージというのにつきましては,やはり神戸にふさわしい特色のあるものにしたいということで,例えば神戸の強みであります国際性でありますとか,先進のテクノロジーを入れるような,その先駆性でありますとか,あるいは産業を創造するような創造性といいましょうか,そういったものがあればいいなとは思っていますが,いかにこういうことを公募で反映していくかという,あまり縛り過ぎるのもどうかなとも思いますし,その辺は,今後,御意見も踏まえて検討していきたいというふうに思っております。
■日本維新の会 川口まさる議員
王子公園は駅に近接していて,動物園や複数のスポーツ施設を持っています。周辺にも多くの教育文化施設,歴史的建造物が立地しており,非常に魅力的なエリアだと私は思っています。王子公園の再整備には非常に期待しております。
令和3年度予算説明書には,文教エリアとしてのポテンシャルを活かした地域ブランドの向上を目指すため,王子公園の再整備に向けた関連施設の調査検討等を行うというふうに記載されており,調査費として予算2,000万円が計上されています。これから大学誘致,スポーツ施設の再編等の再整備に向けた調査・研究等を行っていくことになりますが,王子公園の施設は,現在でも多くの方に利用されております。地元住民,利用団体等へ丁寧に説明し,理解を求めながら進めていくべきだと考えます。また,王子公園は地元住民に親しまれている憩いの場であり,周辺の歩行者にとっても優しい空間となるように,王子公園を再整備していくべきと考えますが,いかがでしょうか。
■若松企画調整局副局長
王子公園周辺の道路につきましては,動物園を含む王子公園の利用者や地域住民だけでなく,周辺に立地しております学校の通学路にもなっておりますので,時間帯によっては混雑が見られるという状況かと思います。また,公園内につきましても,駅に近いエントランス部は大半が駐車場で占められておりまして,憩い,くつろげる空間が少なく,人と車がふくそうしているといった課題があるかというふうに認識しております。このため,令和3年度につきましては,交通インフラの検討等に必要な基礎的調査をまずは行いまして,公園全体のゾーニング,施設レイアウト,それに加えまして,歩行者にとって優しい空間の整備というものも検討していきたいというふうに考えております。その中では,既に一部にはヒアリングを始めてございますが,御指摘の地元住民やスポーツ施設の利用団体等の皆様の声をお聞きするとともに,丁寧な説明に努めながら進める必要があると考えております。とりわけ,特に王子公園駅から動物園の正面ゲートにかけての空間は,非常に大事な部分になってくるというふうに思っておりますので,機能面や景観面に配慮され,歩行者にとって優しいものとなるよう,地域住民や利用者の御意見も伺いながら,歩行者空間や憩いの空間として考えております芝生広場の整備イメージなどを速やかに固めていきたいというふうに考えております。
■立憲民主 池田りんたろう議員
王子公園の再整備に向けた調査・検討が進められていく,こういうことでありますが,この再整備に当たってぜひ考慮いただきたいというのは,駐車場なんですが,今コロナ禍で顕在化していないものの,主に休日に発生する駐車スペースが不足しているという問題であります。
この駐車場問題を解決するために,以前,立体駐車場,自走式の駐車場を提案させていただきました。しかし,これは要は事業者負担で立体駐車場の整備を行い,その利用料金により賄うという,神戸市にとっては非常に意義があるんだというふうに思ったんですが,景観を壊すとか,そういう観点で景観への配慮などから当時受け入れていただくことができませんでした。非常に残念だったんですけれども,今回の再整備に当たっては,陸上競技場や動物園などの再配置も含めて抜本的に検討するというふうに聞いておりますが,この駐車場スペース不足の問題を抜本的に解決するチャンスだというふうに思っているわけでありまして,この整備についてどのように進めていこうとされているのかお伺いをしたいというふうに思います。
■林企画調整局担当局長
王子公園の駐車場について,お答えをさせていただきたいと思います。
この駐車場につきましては,現在,王子スタジアム及び動物園前の前面のエントランス部分に常設の390台分の駐車場がございます。それからまた,補助競技場に臨時の250台分の駐車場がございまして,全部で640台分の駐車場があると,こういう状況です。
それから,春や秋の行楽のシーズンの週末などには,年間で約50日ぐらいなんですけど,満車状態ということで,王子公園前の道路に駐車場待ちの車列が発生するという状況です。一方,閑散期,あるいは繁忙期でも平日は常設の駐車場で対応できていると,こういう状況です。
今回の王子公園の整備におきまして,駐車場は非常に重要な検討項目の1つであるというふうに認識をしております。委員から以前,立体駐車場の御提案をいただいたということでございますけれども,当時は恐らく各施設の再編を含むこの整備計画というのがない状態で,立地できる場所が非常に限られていたんじゃないかなと,そういった中での検討であったため,具体化が難しかったのではないかなというふうに思われます。
ただ一方,今回,王子公園全体の計画の中で施設の再編計画を計画していくという予定でございますので,一定の自由度を持って検討できるということでございます。
具体的には,駐車場の設置場所,台数,そして構造,当然景観への影響もありますし,事業手法等のハード整備の面についても検討したいと思いますし,また,駐車場の混雑状況,こういったものを発信状況でありますとか,あるいは公共交通機関への利用促進策,こういったものを含めた駐車場待ち車列へのソフト的な対応というものについても併せて検討していきたいというふうに考えてございます。
今回の王子公園の整備は,新たな駐車場整備を含む来園者のアクセス対策に取り組む好機というふうに捉えまして,令和3年度,来年度ですが,交通インフラの検討に必要な基礎調査を行い,駐車場を含めた再整備計画について,各局と連携を図りながら鋭意検討を進めていきたいというふうに考えております。
■立憲民主 池田りんたろう議員
最後にちょっと王子公園の整備について,駐車場の関係,一番当初,王子競技場,陸上競技場ありますよね,この地下に大規模駐車場を造るんだってということが当初あったと。震災を受けて,もう財源もないし,それは頓挫してしまったんで立体駐車場,さきに申し上げましたようなことを提案させていただいたんですけど,それが受け入れられることができなかったんですけれども,その立体駐車場もありますが,この王子公園の整備やるわけですから,またスタジアムは造るわけですよね。その下に駐車場を造ったらどうかなというふうに思ったりもするんです。そのことはどうでしょう。
■林企画調整局担当局長
施設整備については,今後検討するということなると思います。
ただ,地下の駐車場はどうかというのも含めていろいろ議論はさせていただくことになろうと思いますが,いかんせん地下の駐車場というのは非常にコストがかかるという側面がございます。造る段階もそうでしょうし,維持管理する段階でもそうだということもありますので,その辺も含めまして,どういう形態がいいのかというのを総合的に考えていきたいというふうに思っています。
■共創・国民民主神戸 前島浩一
王子公園の再整備ということで議論されたところであります。これは,先日の我が会派の諫山議員が代表質疑の中で王子公園の再整備についてただしたところ,今西副市長から,再整備の方向として,大学の立地場所は東側の王子スタジアムの周辺を想定しているということで,今後の進め方としても,令和4年度に大学の公募を行うというような趣旨の答弁があったというふうに思うんですが,それを実際に実行しようというのであれば,王子は文教地区等で,非常に高校等,優れた文教地区ではないかなというふうに思いますので,それにふさわしい大学や,あるいは,大学まで来なくても,どっかの大きな総合大学の学部というようなものが誘致されるべきだなというふうに思うんですが,改めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
■若松企画調整局副局長
先ほどもございましたけれども,王子公園周辺については,今でも十分,文教エリアとしてポテンシャルが高いということでございます。ただ,今,周辺の学校については,中学校・高校が中心,大学については1つの学校法人が運営されているという状況でございますので,今回,大学を誘致していくことで,さらにこのポテンシャルを上げていきたいというふうに考えております。
御指摘の文教エリアにふさわしい大学ということでございますが,これについてはちょっと御説明難しいんですけれども,午前中,担当局長が申し上げたとおり,神戸にふさわしい特色のある大学を呼んできたいと。具体的には,神戸の強みである国際性とか先駆性とか創造性に貢献していただけるような大学の進出を期待しております。
大学の公募については4年度ということでございますけれども,それに向けての大学の選定基準とか,その他の詳細については今後詰めていきたいと思いますので,我々としては,今回の再整備の方針,公園全体の再整備を進める中で大学と,ある意味思い切った政策になるかと思いますので,進めていきたいというふうに考えております。
令和3年予算特別委員会第2分科会〔3年度予算〕(建設局) 2021-03-08
■共産 松本のり子議員
まず,王子動物園の再整備について。
1月29日に市長は定例会見で,王子公園や王子動物園の再整備を行うということを発表いたしました。企画調整局を中心に,令和3年度に調査・検討,基本計画の策定予定と言われています。動物園の整備については,建設局が検討委員会に動物の福祉の観点から,今よりも拡張した動物園を造るようにと,そういった方向を検討委員会に提案すべきと思いますが,まずいかがでしょうか。
■三島建設局長
王子動物園等を含めた王子公園でございますが,王子公園は,動物園,スポーツ施設をはじめ,歴史的文化的な資源を有する,神戸市を代表する都市公園の1つでございます。しかし,公園内の各施設は老朽化・陳腐化が進んでおりまして,このたび,動物園のリニューアルやスポーツ施設の再編による大学誘致など,文教エリアのポテンシャルを生かし,地域ブランドの向上を目指すべく,神戸市として再整備の方針を打ち出したところでございます。
現在,王子公園は大きく分けると,動物園と園地の一部を建設局が,王子スタジアムや体育館などのスポーツ施設や神戸文学館など文化施設を文化スポーツ局がそれぞれ所管しております。再整備に当たっては,各施設のリニューアルやスポーツ施設の再編,大学誘致など,個別の局にとどまらない幅広い調整が必要になることから,総合調整は企画調整局が担うということでございます。建設局といたしましても,王子動物園につきましては,種の保存,調査研究,環境教育,レクリエーションという4つの役割が求められておりまして,施設の老朽化や展示方法,動物福祉への対応など,多くの課題があると認識いたしております。
また,王子公園内においては,公園ならではの気軽に立ち寄れる憩いのスペースも不足していると認識いたしておりまして,こうした課題解決に向けまして,公園全体の再整備を好機と捉えまして,建設局としても検討を進めてまいりたいと考えております。
今後の整備に向けました,まずは来年度早々に動物園のリニューアルの方向性を検討するため有識者会議を設置いたしまして,意見聴取するとともに,基本構想の策定に着手してまいりたいと思います。これまで以上に,王子公園が市民や来訪者に親しまれ,にぎわいのある公園になるよう,企画調整局や文化スポーツ局と緊密に連携を図りながら取り組んでまいりたいと思っております。
なお,王子動物園のリニューアルにつきましては,同規模ぐらいでやっていきたいということが企画調整局のほうから発表されておりますので,そのような中で検討していきたいと考えております。
■共産 松本のり子議員
やはり動物に思いを寄せていただいて,企画調整局が考えるんじゃなしに,やっぱし持ってる建設局が提案をしていって,企画局が動物のことを考えて,この王子公園の再整備をするとは考えられません。だから,建設局が70年続いてきている動物園の動物のことに寄り添って,私はどんどん提案してほしいと思います。
王子動物園の50年誌が2001年にできたのを読んでますと,ほんとにすばらしい。50年の歴史というものをまず捉えて,そして,21世紀の動物園はどういうふうにしたらいいのかっていうことが書かれてるんですが,これ,御存じでしょうか。
■上山建設局王子動物園長
王子動物園,今年70周年,この3月で迎えまして,70周年の記念誌というのを今作りつつあります。50周年のときもそうなんですが,都心にある王子動物園として50年,現在であれば70周年経過しておりますけれども,これからも都心にある王子動物園を当然活用していく必要がありますし,それから,もともとの考え方として,世界にある貴重な動物が間近で見られるというふうな考え方もありますので,これについても今後継続していく必要があり,当然,先ほどと話がダブりますけれども,動物福祉に関しては,これからますます重要です。王子動物園ができた頃の役割といいますか,基本的に当時の動物園というのはレジャー重視だったと思うんですけれども,それ以降,時代が変わってきまして,先ほど局長が申し上げましたように,種の保存でありますとか,環境教育,そういったことが最近重要視されてますので,今後についても,そこを今まで以上に伸ばしていく必要があるというふうに考えております。
■公明 吉田兼治議員
王子公園の再整備についてお尋ねをいたします。
本日もお話があったと思いますけれども,来年度,王子公園再整備の議論を始めるとのことであり,老朽化した王子公園の再整備に当たって,有識者会議を開かれて進めるとのことですが,その議論に期待しているところでございます。
ただ,せっかく議論するに当たっては,王子公園内だけではなく,隣接する阪急王子公園駅や水道筋商店街なども巻き込んで,人の流れを呼び込み,取り組むことが重要であると考えております。
全体調整については,企画調整局が中心となってやりますというふうに本日もお話がありました。ただ,建設局もそういった観点を持って,積極的に企画調整局とともに再整備の検討に取り組んでいただきたいと考えますが,御見解をお伺いいたします。
また,既に御説明もありましたけれども,今後の大きな流れだけ簡潔に教えていただければと思います。
■三島建設局長
王子公園は阪急王子公園駅の駅前に広がる大規模公園でございまして,先ほども申し上げましたように,周辺には教育施設や文化施設,それとやはり水道筋商店街などの商業エリアが立地しております。園内には動物園や各種スポーツ施設があり,多くの方々に利用されております。
一方では動物園やスポーツ施設の老朽化や陳腐化に加え,市民が気軽に立ち寄っていただけて過ごせる憩いの空間が少ないという状況でございます。その中で,やはり駅前という利便性の高さと,やっぱり文教エリアの特性を生かしきれていないという問題意識も持っております。
建設局におきましては,まずは動物園を,都市型動物園としての役割を求められておりますので,施設の老朽化,展示方法,動物福祉への対応など多くの課題があり,令和3年度,リニューアルの方向性を検討するに当たり,有識者会議を設置いたしまして,意見を聴取するとともに,神戸市のほうで基本構想を策定してまいりたいと思っております。
そのような中,誰もが気軽に立ち寄れるスペースを充実させるため,地域や民間事業者などから幅広く意見を聴取し,広場的空間の整備も検討していこうと思っております。例えば,多目的に利用できる芝生のような空間を確保することで,そこに人の流れを誘発し,憩いや交流の拠点をつくっていこうというようなことも考えていこうと思っております。
また,周辺エリアとの連携は非常に重要なことだと思っております。そういうことでは,企画調整局が中心となって,新たな人の流れを呼び込むような周辺エリアとのつながりを意識した全体計画を検討していくことになりますが,やはり建設局では駅前の入ったところに空間があります,今,駐車場が造られてます。あそこをどう使っていくかということでは,本当に駅との関連も出てきますし,そういうところでは,建設局も企画調整局と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。
それと,あと全体の流れを簡単にということをおっしゃられました。令和3年度は交通インフラの検討等に必要な基礎的調査や公園全体のゾーニング,施設のレイアウトの検討を進めまして,令和4年度には大学の公募及び一部事業に着手する予定やということで聞いております。それに合わせて,建設局といたしましても,令和3年度より動物園のリニューアルに向けて,先ほども申し上げました有識者会議を設けて,都市型動物園に求められる役割,展示方法について意見を聴取し,検討を進める予定でございます。
なお,それ以降の具体的なスケジュールにつきましては,3年度の検討の中で固めていくことになっているところでございます。
令和3年建設防災委員会 2021-03-23
■共産 今井まさこ議員
先日,市長の記者会見で,王子公園一帯の再整備を行うというふうに発表されたんですけども,記者会見では動物園は移転も考えたが極めて困難だとして,現状のままで建て替えを行うとされています。前の常任委員会や決算委員会などで,王子動物園について議論がされ,その中で,動物の福祉という言葉が使われていたんですね。再整備に当たって,やはり動物園は主体が動物ですので,動物の福祉について,どのように考えて再整備を進められようとしているのかお聞きしたいんですけど。
■広脇建設局担当局長
王子公園の再整備につきましては,企画調整局のほうで,全体のこのゾーニングをこれから考えていこうという段階でございます。その中で,動物園のエリアをどうとっていくかということについては,建設局としても,当然,動物園の在り方とリンクして考えていく必要があるというふうに思っております。ただ,やはり限られた面積の中でいろんな施設を配置をしていくという中で,動物園としてどうあるべきかということも含めて,企画調整局と一緒になって考えていければなというふうに思います。
■共産 今井まさこ議員
企画調整局とよく相談してということになっているんですけれども,動物園のこと,動物の立場に立って提起できるのは,やはり建設局だというふうに考えているんですね。王子公園全体でいろんな施設がたくさんありますよね,プールもありますし体育館もありますし,スタジアムもあります。これはもう本当に長年この地域で根差してきて,地域の人たちにとってはなくてはならない施設だと思うんですね。そういう再整備が行われる中で,大学がやってくるということになれば,かなり大きな敷地を確保しないと大学を造ることができないというふうに思うんですけれども。そういう意味では,大学を誘致することは,言ったらほかの施設を犠牲にするとか,動物園については現状,そのまま維持するという形になってしまうと思うんですけれども,そういう意味では,大学誘致についてはどのようにお考えなんでしょうか。
■三島建設局長
大学誘致については,企画調整局が所管しております。それで,王子公園の全体計画については,企画調整局で各関係局がそこに連携して行っていくと。そういうことでは王子動物園をどうしていくかということと,あとそこの中で王子公園という部分もありますので,そこについては建設局だと思っております。先ほどからお話がありましたように,動物福祉というのを考えて訴えていかなあかんのちゃうかと,それができるのは建設局ではないかという御指摘でございますが,それはそのとおりだと思っております。そういう意味では,動物福祉の関心の広さということで先ほど御指摘いただきましたけど,象舎やキリン舎の運動場の面積が,若干やはり不足している状況でございますが,他の獣舎についてはおおむね面積を満たしているという状況でございます。それで,また施設については効率的に配置するということも考えられます。立体的に配置しても,その動物の必要飼育面積の公益財団法人の日本動物園水族館協会の飼育ガイドラインは満たすという形になっておりますので,そういう形も含めまして敷地面積を有効活用しながら,よりよい動物園の再整備について,建設局として取り組んでまいりたいと思っております。
■共産 今井まさこ議員
ということは,あまり動物園を広げようという考えはないということになるんでしょうか。私は,先ほども言いましたように,地域の人たちにとっては,プールとかそういうものは,もう本当になくてはならないものだというふうに思いますので,それを統廃合というか,プールの上に体育館を造るとか,そういうことはいろいろ工夫すれば敷地はできてくると思うんですよ。プールの部分を広げるとか。そういうことを考えたら,やっぱり王子スタジアムなども面積確保しなきゃいけないですし,大学は私は無理なんじゃないかなというふうに思います。ぜひ動物園を,先ほど象とかそういう所は狭いけど,あとは大体クリアしてるんだとおっしゃいましたけれど,でも私も旭山の動物園,すごい人気ということで私的にも行きましたし,企業建設委員会に1度,前おりましたから,そのときも旭山動物園行きましたけれども,オランウータンの宿舎というんか,そこは本当に体育館みたいに広い,高さなんか3階,4階あるような所にね,そこにもう一番上にオランウータンが座ってて,それからすごい高い所,もう伝っていって遊んでるというか。落ちるんじゃないかなと思うけど,いや,本能的にそんなオランウータン落ちることありませんいうておっしゃってました。そういう意味で,本当にそういう生き生きした姿。王子動物園の場合は,私が見たのは狭い所に鎮座しているという感じで,本当にすごい迫力ありますけれどもね,やっぱり自由に動物が生活できるようなものを造っていただきたいなというふうに思うんですよ。企画がすることだということをおっしゃってますけども,今がチャンスだと。今,動物園は70年目ですよね,100年目指して,あと30年。また,もっともっと動物園,どうなるか分からないですけども,50年とかね,そういうものを視野に入れたとしたら,やっぱり今最高のものを造る努力をしていただきたいということ。それも動物の福祉という立場ですね,本当に子供たちの教育の場でもあるけれども,動物たちにとっても幸せな場所でなければならないというふうに考えるんで,まずは王子公園全体については検討委員会が設置されるということになるんでしょうか。
■三島建設局長
王子公園のリニューアルに当たりましては,有識者会議というのを開催したいと思ってます。それは,様々な学識を持っている方,集まっていただけるかどうか,コロナの時代ですから分かりませんが,そういう方の御意見を聞きながら,やはり今現在の王子動物園をリニューアルしていくに当たっては,どういうことをしていくべきかということの御意見を頂いていこうということで,そういう御意見を踏まえながら,神戸市のほうで基本的な方針を定めていきたいという形で考えております。
■共産 今井まさこ議員
その全体ですね,王子公園全体の再整備に関しては,いろんな局が関わっていることだというふうには思いますけれども,でも,やっぱり今,生き物として飼ってる動物園がかなり大きな敷地を占めているわけですから,建設局がしっかり中に入っていただいて──検討委員会か有識者会議になるんかどっちかちょっとあれなんですけど,入っていただいて,しっかりと動物の福祉を守るという意味での動物園そのものの拡大を,ぜひ私は頑張っていただきたいなというふうに思います。動物園そのものの有識者会議ということになると思うんですけども,そこにはやっぱり飼育員さんなんかは入るんですか。
■上山建設局王子動物園長
動物園そのものの検討は,先ほどから申し上げてますとおり有識者会議というのを立ち上げる予定でございます。まだ今現在,全ての委員さんの了解がとれてるわけではないんですが,どういった方かといいますと,当然,動物園関係者の方は入っていただくと。それから,動物園の在り方等について学識経験者の方ですね,それから造園,ランドスケープといいますか,そういった関係の方。それから,教育というのは非常に大事ですので,特に動物教育に関して有識者,そういった方を今想定しております。
■共産 今井まさこ議員
ぜひその動物の立場に立って主張できるような,そういう方,飼育員さんが最適だというふうに思いますけれども,園長さんも含めてね,そういう方も含めて,また地域に根差した動物園でもありますので,地域の人たちが望む動物園というような,そういう意見が言える方をぜひ入れていただきたいなというふうに思います。先ほども言いましたように,王子動物園が70年を迎えるということで,最高150万人ぐらいですかね,全国3位か4位かなって,今かなり7位ぐらいまで落ちてきてはしてますけども,それでもとても便利な所にあって,100万人もやってくるという,そういう動物園ですので,引き続き愛される動物園であってほしいし,動物園も幸福であってほしいと。福祉の立場に立った動物園,ぜひ広げてほしいなというのは本当に強く思いますので,そういう検討会議とか有識者会議では,しっかりと動物の立場で発言できるような方を入れていただきたいということを,お願いして終わります。
■自民党 岡村正之議員
私も王子動物園についてお尋ねいたします。私も動物福祉の観点は大事だと思ってまして,先ほど局長がキリンとか象が敷地面積不足しているんだというお話あったんですけど,ほかの他区ですね,北区とか大きな敷地があるところとか,移転などとかの考えとかは,そういったお話とかはあるんでしょうか。
■三島建設局長
検討はある程度したんですけど,やはり神戸市の王子動物園って都市型公園やということで,やっぱり交通機関との連携が非常に密でいいとこだということでございますので,そういうことにつきましては,やはり今の所で王子動物園をリニューアルするということが最適ではないかということで,その方向で検討させていただきたいと思っております。
■自民 岡村正之議員
分かりました。スペースの確保をしっかり今の現状でやるということであれば,動物にストレスがないようにしっかり配慮していただきまして,ぜひ面積の検討など,よくよくお願いいたします。
あともう1つなんですけど,大学を誘致するということで,これちょっと企画調整局,以前お呼びいたしまして,お話しさせていただいたのもありまして,ただ単に大学を誘致するんじゃなく,何か特色のある──特に私が考えているのは,以前から獣医学部の誘致。今こういったコロナ禍の中,やっぱりウイルスのスペシャリストのうちの1つが獣医学部と考えられますので,今後,このコロナウイルスが収まったとしても,私たち人類は100年後,200年後,新たなウイルスとの戦いというのは容易に想像できますので,あのコロナのときに神戸市が獣医学部誘致して,研究施設も一緒に都市型でつくったということになれば,なかなか都市型の獣医学部というのは見れませんので,問題は設置するに当たっては山積してると思うんですが,そのような働きかけ,建設局として考えはないかどうかお伺いいたします。
■三島建設局長
大学の誘致につきましては,以前も御答弁させていただきましたように企画調整局が所管することでございます。その中で,企画調整局が所管する担当部長とかのお話は,その以後もさせていただいてまして,常任委員会のほうで獣医学部というお声があったよねという話は,向こうのほうもそういう形で言っておりますので,それも含めて全体的に企画調整局のほうでやっぱり考えていくと言われておりましたので,うちのほうはそういう形では,先ほど言いましたように,王子動物園とか公園のほうをしっかり考えていく部署として発言していきたいと思っております。
■共産 西ただす議員
簡単に聞いていきたいんですけど,王子動物園の話が出てましたんで,ちょっと。今回リニューアルするということなんですけど,さっき70年ということであったんですけど,リニューアルしてそれは100年とか,将来に対してどれぐらいのものを目指しながらリニューアルされているのかなというのは,どう考えていらっしゃいますか。
■上山建設局王子動物園長
今回,リニューアルいたしますけれども,具体的にこれを今後100年か120年かと,そこまで議論はしたことはないですが,当然,税金を使って施設を整備しますので,数十年という,かなり長期のスパンで現地で活用するということは,もう間違いないと思います。
■共産 西ただす議員
さっき聞いてて,何か必要飼育面積という言葉ですか,というふうに言われてたんですけど,そういうのがあるんですよね。またそれ,今じゃなくてもいいんですけど,資料を頂ければなと思うので頂きたいんですけど。気になっているのは,今の基準というのはあるんですけど,今後はこれ,必要飼育面積というのは変わっていくことはないんですか。
■上山建設局王子動物園長
先ほど申し上げました必要飼育面積といいますのは,日本動物園水族館協会という団体がつくっているところでございまして,実はこれ,令和2年度から出し始めた数字ですので,ですから今年初年度ですから,今後どうなるか分かりませんけれども,出たところですので,例えば来年とか再来年に変わることはないとは思いますけども,10年後,20年後,これはやはり社会情勢変わってきますので,どうなるかは,そこは現時点では分からないということです。
■共産 西ただす議員
この必要飼育面積という考え方が出てきたのはなぜなんですか。
■上山建設局王子動物園長
基本としましては,最近の動物福祉意識の高まりというところが一番でございます。それから,世界の動物園水族館協会的なところがありまして,これについて先行してそういった面積なりの基準があったと。それを参考にしながら,日本動物園水族館協会のほうが,日本国内版ということで今年度からつくり始めたということでございます。
■共産 西ただす議員
動物福祉も含めての考え方とかそういうのも出て,本当にこの間,強くなってきて出てきたのかなというふうに思って聞いてたんですけど。数十年という単位で考えてらっしゃるんだけど,一方で,今言われたのは,例えば10年後にどうなってるか分からないといったときに,そこに対しての対応とか,10年後にも出るし,もしかしたら20年後にもまた広がってという,今の流れでいうたら狭めるという話はないと思うんですよね。そういったときに,対応できる動物園の広さが要ると思うんですが,そこについての議論はどうなんでしょうか。
■上山建設局王子動物園長
確かに数十年先にこの基準がどうなるか分からない部分があるんですけれども,ただ少なくとも今は約8ヘクタールの敷地の中で,あくまでこの基準というのは最小基準ですので,我々,その最小基準ぎりぎりで造る気もありませんので,当然できるのであれば,そこに1.2倍か1.5倍か分かりませんけれども,広く,それは取れるだけ広い面積を取っていきたいというふうには考えております。
■共産 西ただす議員
動物によって広さもやっぱり違うと思うんですよね。例えば,象なんかでいうたら,逆にいうて1.2倍で済むのかというような話も出てきたりとか。個別で当然出てくるというふうに思うんですよね。そのときに本当に対応できるのかっていう議論を内部でされているのかというのが,ちょっと分からなかったんです。内部でされているんですか。
■上山建設局王子動物園長
今,具体的にどの動物がどこに配置されて,どれだけの面積が要るというのは,当然,一切今は検討しておりません。ただ,基準がありますので,先ほどから話に出ておりますように,例えば象であれば基準面積を満たしておりませんので,当然,最低そこの面積まで広げる必要がありますけれども,ただ今の場所,象が今の場所のままかどうかといった,具体的にはそういう議論は一切まだしておりません。
■共産 西ただす議員
今ですら満たしてないということですから,やっぱり考え方,繰り返しになったらあれだけど,動物福祉の観点からいうと,狭まることはないと思うんですよね。というたときに,考えたときに,やっぱり動物園の面積そのものを広くとっとかないと厳しいなというふうに思われないのかな。そこはいかがですか。
■上山建設局王子動物園長
今の獣舎の中でも,例えばですけども,ゴリラの部分はもう数年前になくなって,空き獣舎になっています。ここだけでも1,000平米以上の空き地がありまして,同じように旧のホッキョクグマ舎とか,そういう現在使われていない敷地もそれなりにありますので,当然そこは有効活用していくということでございます。
■共産 西ただす議員
もうこれで終わりますけど,結局,建てる──税金のことを考えて数十年というふうに言われました。ということは,その中でも動物福祉の観点から必要な面積というのは広がっていくかもしれない。そして,今のことでいうと,じゃあ動物をどうするのか,数も減らすのかという話も出てきてるのかもしれないけど,そこら辺が全然見えない中で,少なくとも今の動物園そのものが,王子動物園自身がやっぱり狭いなというのがあって,大きな問題になってきたわけですよね。それは,やっぱり住民もやし,来ていただいている方も,そこに対して合わせていくということも考えたときに,やっぱり面積を広げていくということで求めていくべきだと思います。
■自民 平井真千子議員
動物園のことで御意見出てる中で,ちょっと私の考えるとこと違うなというのがあったので,私の意見もちょっと申し上げておきたいんですけれども,動物園のリニューアルの中で,動物福祉をかなえていくためには,とにかく広くするべきだという御意見があったんですけれども,動物福祉の中で,やっぱり面積ということが分かりやすいので,取り上げられがちだと思うんですけれども,動物福祉は広ければ広いほどいいという別に簡単な概念ではなくって,面積はその1つの要素だと思うんですね。例えば,面積だけじゃなくて,群れで暮らす動物は群れで飼わないといけないとか,逆に単体で飼わないといけないとか,そういう要素もあると思うんですけど。例えば,じゃあ象に関していったら,広い所で群れで暮らす動物だから,それをかなえないといけないということになりますと,結局,アフリカの自然公園みたいな所で,もう膨大な広い所で自然に近い形で,人は車で何とか群れ見つけて見るのが一番,じゃあ動物福祉にはかなっているんだろうという話になるんですけれども。
じゃあ日本の動物園の在り方を考えたときに,そんなことが可能かっていうと,可能としたところで,今の動物園の楽しみ方とは,また全く違うものになってしまうと思うんですね。神戸で考えた場合にも,やっぱり王子動物園という,ああいう半日あれば回れるような広さの中で,そういう身近な場所にあって,手頃な広さで,家族が本当にふだんから動物に親しめる,学べる環境ということが,非常にすばらしいと思いますので──もちろん今の時代のリニューアルですから,動物福祉に配慮するということは当然なんですけれども,そのためにどんどん広くしなければいけないということではなくって,今ある環境の中で動物福祉をかなえる展示というのはどういうものかということを考えるべきだと思いますし,その中で,どうしてももうこの広さであれば,その基準は満たせませんという飼育動物があるのなら,もうそれは飼育から撤退しないといけないとか,そういうことの議論をするべきだと思うんですね。
今後,有識者の方をお呼びして計画をまとめていかれるという中で,動物福祉の専門家として,例えば動物行動学とか,動物心理学とか,そういう方にも来ていただいたり,また動物園の在り方という大きなところで博物館学が分かる方にも来ていただいたりする中で,王子動物園としてはどういう飼育,種目をして──品目というのか,していったらいいのかということの検討をしていただきたいなと私は思っているんです。動物福祉のこともあるんだけれども,ほかにも動物の国際的な取引が非常に難しくなっている中で,欲しいけども手に入られない動物とかいうのもあるわけで,そのときに,でもそういう難しさがあっても,やっぱり将来的にこの品種は何とかトレードしてでも保持していきましょうとか,この種目はもう自分のとこの繁殖で何とか維持できるように頑張りましょうとかいうことで,その特色を出していくべきだと思っているんですけれども。それは有識者会議の中で,今言ったようなことがきちんと検討できるメンバーにしていただきたいと思っているんですけど,今どうなっているんでしょうか。
■三島建設局長
まさしく委員については,今個別に当たったり,いろんな選択をしているところでございます。委員御指摘のように,動物園を取り巻く環境っていろいろ変わってきています。ですから動物福祉という形で,広さだけでなくて,今の環境の中でどうしていくべきかということも考えなあかんということもありますし,今後,動物を仕入れるということが非常に難しくなっております。まさしくワシントン条約が制定されまして,絶滅のおそれのある野生動物の種についての国際取引に関する条例でございます。それがなかなか難しいということでは,本当に入ってこないということでいったら,諦めなあかん種類もあるということでいったら,やはり動物園ごとの役割分担ですね。大阪の動物園,京都の動物園,神戸の動物園,そういう役割分担も必要となってきますし,そういうことも考えていかなあきませんし,その中で,王子動物園はどういうコレクションプランをしていくのかとか,そういうこともしなければならないと思ってまして,そういうことについては,そういう委員に入っていただいた中で,皆さんの御意見を頂きたいと思っています。
また,旭山動物園の事例が出ましたけど,私も旭山動物園に行きましたけども,例えばアライグマなんか2つの園舎があって,そこに通路がここにあるんですけど,その上に木が渡っているんです。アライグマが上を通って,それをこうやって見て歩くんですけど,アライグマ,何で飛び降りへんのですか言うたら,飛び降りない性格やから大丈夫なんですよと。そういう動物の行動学自体の展示の仕方をすると,非常に楽しい展示になります。また,キリンもですね,立体的に先ほど施設をということを,僕,申し上げましたけど,下から見る所と,キリンは首が長いんで,上のほうで草食べるんですけど,ちょうど真ん前の所にガラス張りでお客さんが見れるというものを造ってます。そういうことについては,見れる所が非常に多視点で非常に楽しいと。そういうことでは,同じ広さでもいろんな工夫の仕方があって,動物の生態学に合わせたようなことで,それを皆さんで楽しんでいただけることができると思ってます。そういうことも御意見を頂きながら,王子動物園がどうあるべきかというのは考えていきたいと思っています。
■自民 五島大亮議員
ちょっとすみません,動物園,私も。時間とらせてしまって申し訳ないですけど。広さの基準の話があったので,ちょっと質疑をさせていただきたいと思います。必要飼育面積のことについては,以前,上山動物園長にちょっとお調べをいただいております。その数字によると,寝室と運動場,それぞれで飼育面積というのが日本のJAZAの基準で決まっておって,例えば象であれば寝室としては不足はしていないと。どっちかというと300平米余っているというか広めであるという基準になってて,逆に運動場は1,000平米不足していると。キリンは寝室は100平米広いけど,運動場は623平米不足をしているという状態です。全ての動物に基準がまだできているわけではなくて,メインの動物にできているということなんですけれども。確かに狭いというのは1つの動物福祉においては大きな問題であるんだろうなと考えてます。WAZAの基準とJAZAの基準ってまた違っていると思うんですよね。WAZA基準とJAZA基準って,とりあえずWAZAのほうが広いと認識しているんですけど,それで間違いないですかね。
■上山建設局王子動物園長
私が直接,その基準を確認したことはないんですけれども,日本動物園水族館協会で主としてこの基準をつくっている職員に聞きますと,やはり世界基準のほうが一般的には広いというふうには聞いております。
■自民 五島大亮議員
いろいろ質疑もあったんですけども,広さだけが生活の質じゃないというのは,僕ら人間でもそうですから,そういう考え方は非常に大事だなとは思うんですけれども,それにしてもやっぱり,最近の動物に対する考え方の世界的な潮流の変化というのはすごく早くて,世界から見た日本の動物に対する扱いというのは物すごい遅れているわけですよね。国際都市だというふうにうたっている神戸で,広さだけが全てじゃないという話もあるんですけれども,広さというのは確かに,平井先生おっしゃったように,非常に分かりやすい基準なので,そんな狭いとこに入れとんかいなという話にもなるわけですよね。
それで,前ちょっとお話ししたときに,雄の象,マックですかね,割とちょっと性格がきついんだということで,暴れるというか狂暴なとこもあるということなんですけど,彼が狂暴になってしまったのは狭さが原因であったりとかすることはないんですか。スイスから来たときに,もう暴れるやつだったんですかね。
■上山建設局王子動物園長
当時の飼育職員に聞いてみますと,やはりちっちゃい頃はそれなりに飼育職員の言うことは聞いていたと。だんだんと大人になるにつれて,個人の性格か,象そのものの,まして雄象ですから,やはり雌とは違う部分があるようですので。やはり,年を一定とって大人になった頃からは,若干,いわゆる直接飼育員と象が同じ場所にいるという状態は,もう保てなくなったというふうに聞いております。
■自民 五島大亮議員
このマック君,2年ぐらい前に私,たしか決特か予特で,この動物福祉については質問したんですけど,そのとき常同行動が見られるかどうかというのが,狭さに起因するものだという話がありましたけど,マックに常同行動は見られるんですか。
■上山建設局王子動物園長
今のところ,広さかどうかは別にして,マックがそういった常同行動をしているというのは聞いてはないです。
■自民 五島大亮議員
分かりました。広さは問題なんですけど,一旦,再整備の話をするときに,移転については難しいという検討がなされたということで,一体どんな検討があったんかという話もあるんですけど,恐らく象が大きいから引っ越しが難しいとか,キリンが背が高いから難しいとか,そういう感覚でなかなか困難なとこは,それはあるんでしょうけども。神戸市が動物にやさしいまちだということをアピールできることっていうのは,日本においても世界においても,非常に市民にというか,まちのイメージとかブランドづくりにとってはプラスになることだと思うんですよね。その上で,今の場所でいいのかということについては,どういう検討がなされたのか。要は,いや,象,重いから無理やわ,やめとこっていう検討なのか,それとも,いや,広いとこに移すべきだけど,一生懸命考えたけど無理だったのかというのと,これどっちなんですか。
■上山建設局王子動物園長
私も具体的に,その場所を特定して検討したようなことはございませんけれども,やはり念頭に置くべき事項は,動物の移動の困難さというのは,当然,現場サイドでは持っております。それから,やはり今,公共交通ですね,特に阪急,JR,阪神,どの鉄道駅からでも徒歩圏で行けると。ピーク時であれば1日約2万人の方が,そういった公共交通を利用されますので,やはり公共交通が一定充実している場所でないと難しいというふうな考えを,一応動物園サイドとしては持っておりまして,そういったことから総合的に考えて,現地という結論が出たというふうに考えております。
■自民 五島大亮議員
今ね,MaaSという便利な言葉がありまして,これはまあ,いろんなものが公共交通になれるわけですよ。今度,ポートループもつくりますし,BRTであるとか,自動運転であるとか,そういう新しい技術もこれからどんどん使っていけるわけです。だから,既存の駅だけが公共交通が至便である場所だということにはならないのかなと思いますので,その辺も選択肢に入れて考えるべきじゃないかなというのを私は思います。
あと,王子公園このことだけを考えても,あの狭い中に動物園とスポーツ施設と,それから大学,全部放り込もうとしているわけですよね。これは,何というか妥協の産物というか,どっちかに振り切って,もう全部動物園にするんやったら動物園にする。スポーツに振り切るんだったらそうする。大学だったらそうするというふうにしたほうがいいんじゃないかなと。別に私,灘区に住んでるわけじゃないですが,勝手に思います。大学で人口増やすという話してますけど,今神戸市の人口問題で一番問題になっているのは,これ建設局に言うてもしゃあないことかもしれないですけど,大学生が卒業したときに就職で出ていってしまうということなんですよ。だから,大学をつくっても人口問題の解決にはこれはならんわけですよ。だから,そこは企画が全体的に面倒見るっていう話はあると思うんですけど,建設局としては大事な動物園なんで,これを生かして,どれだけ神戸のイメージをよくしていくかということに注力をしていただきたいわけですよ。
動物園というのは,先ほどもおっしゃいましたけども,すごい世界から見られてますから,その点においては,広さというのは大事だ。これは僕が北区だから,北区に動物園来てほしいから言うっていうわけじゃなくて,別に西区に行ってもいいから,その辺はこれから検討に入ると思うんですけれども,イメージづくりということもありますので,しっかりと検討していただきたいと思います。
■自民 平井真千子議員
ちょっと,あまりにも議論がひどいなと私思うんですけれども。まるで今の王子動物園だったら,象の飼育をリニューアルして継続することが不可能みたいな話になってると思うんですけれども。さっきも言ったように,広ければ広いほどいいのかという話じゃなくって,めちゃめちゃ広い所に,今の数頭しかいない象が,群れにもなれずぽつんとおって,それがじゃあ動物福祉なのかといったら全然違うわけですよ。別に基準に合わすように──確かに今の王子動物園の象の運動場が十分に広いとは言えないけれども,今の公園の面積の中で無駄にしている部分もいっぱいあって,取れないのではないんですっていうことを,きちんと答弁いただきたいんです,そういうことを。
■上山建設局王子動物園長
例えば象の話をしますと,現在1,000平米足りないということですから,当然,我々,配置する場所は別として,今の8.1ヘクタールの中で,象はそれを満たす基準で当然,リニューアルを,獣舎を造るということはもう間違いございません。
■自民 平井真千子議員
十分に基準を満たすリニューアルをするということを明言いただいたので,その辺がね,どうも言葉が独り歩きして,市民の方に王子動物園は動物いじめしてるみたいなイメージを持たれないように,ちょっと自信を持ってお答えいただけますように,よろしくお願いいたします。