千葉工業大学の伊藤穰一学長が世界最大級のサイバーセキュリティカンファレンスであるDEF COMの追放者リストに他の2人とともに掲載されたことがわかった。理由は米司法省のエプスタイン文書とアメリカのニュースメディア、ポリティコの報告に基づくとしている。
DEF CONは毎年夏に米ラスベガスで開催されているハッキングカンファレンスで、サイバーセキュリティの最新動向やハッキングのデモ、ワークショップなどが開催され世界中からサイバーセキュリティの専門家が集まるイベント。今年もDEF CON34が8月6日から9日までの日程でラスベガス・コンベンションセンターで開催される予定だ。DEF COMは透明性レポートを発行しており、カンファレンスへの参加を禁止する人物の名前を公開している。追放処分は行動規範レポートやメディア報道、他のカンファレンスでの処分など様々な要因に基づき非公開で決定されるとしている。
DEF COMのウェブサイトには2025年までに追放処分となった6名の名前が公開されていたが、このほど新たにパブロス・ホルマン、ヴィンチェンツォ・イオッツォ、伊藤穰一の計3名の名前が掲載された。司法省のエプスタイン文書とポリティコの報告に基づくとされている。ポリティコはアメリカの政治ニュース専門メディア。米司法省は今年1月30日、2025年11月19日にトランプ大統領が署名をして成立したエプスタイン文書透明性法に対応する300万ページ以上の追加ファイルを公開、この中には2000本以上の動画と18万枚以上の画像が含まれている。ファイルはエプスタイン図書館として米司法省のサイトに収蔵されて公開されている。
ジェフリー・エドワード・エプスタインはアメリカの金融家として富を得たが、女性や少女に対する性的人身売買の罪で有罪判決を受けた人物。服役中の2019年8月10日に独房で首を吊って自殺したとされている。エプスタインは超富裕層や著名な政治家や実業家、芸能人らと交友関係を築く一方、自身の邸宅や所有していたカリブ海の島で少女を囲って性的な虐待を行っていたとされるが全貌は公には明らかにされてこなかった。また、トランプ大統領もエプスタインと交流があったことからエプスタイン事件に関する文書の公開を求める声がアメリカ国内で強まり、昨年11月にエプスタイン文書透明性法にトランプ大統領が署名をして同法が成立した。これを受けて今年1月30日に米司法省が300万ページ以上にわたる追加ファイルを公開した経緯がある。
DEF COMの追放処分となった伊藤穰一氏を含む3名はいずれも米司法省が公開したエプスタイン文書に名前が掲載されている人物で、現在、千葉工業大学の学長を務めている伊藤氏は2011年から2019年にかけてマサチューセッツ工科大学のMITメディアラボの所長に日本人として初めて就任した経歴があり、現在は千葉工業大学の学長と同大学変革センター長のほか、株式会社デジタルガレージ共同創業者兼取締役、デジタル庁など政府委員会の委員や民間企業のアドバイザーも務めている。報道によれば、MITメディアラボの所長を辞任したのはエプスタインから資金援助を受けていたことが理由とされる。
また、パブロス・ホルマン氏は自身のサイトによるとハッカー、発明家、テクノロジーの未来学者で複雑なテクノロジーを実用的なツールへと昇華させる独自の能力があり、現在はDeep Futureのベンチャーキャピタリストとして活動しているとしている。また、ヴィンチェンツォ・イオッツォ氏はイタリアのサイバーセキュリティ研究者でサイバーセキュリティのコンサルティング会社、Trail of Bitsの共同設立者。ハッキングコンテストのPwn20wnで数々の優勝を果たした実績がある。
【出典】
https://defcon.org/html/links/dc-transparency.html
https://techcrunch.com/2026/02/18/hacking-conference-def-con-bans-three-people-linked-to-epstein/
https://chibatech.jp/about/institute/message.html
https://www.garage.co.jp/company/directors/
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2019-09-08/PXJ8L46JIJUP01
