ローンやクレジットなどの信用取引に関する個人データを管理している指定信用情報機関の株式会社日本信用情報機構(JICC、東京都台東区)が信用情報を流出させていたことを明らかにした。偽造書類を使って本人になりすました第三者からのアプリを使った開示請求に開示を行っていたという。
日本信用情報機構の発表によると、流出したのはローン等を借り入れている人の名前や生年月日、住所、電話番号、免許証番号など本人確認書類に記載されている番号のほか、借り入れた金額や未返済の残金、延滞の有無などの信用情報。これまでの調査で16件の流出が判明しており、調査は継続していることからさらに増える可能性がある。
日本信用情報機構が管理している信用情報は、同機構が提供しているスマホのアプリを使って、ローン会社等から借り入れをしている個人が自身の信用情報を開示請求することができ、アプリはグーグルやアップルのストアからダウンロードできる。アプリを使って自身の信用情報の開示請求をするには、クレジットカードと電話による認証か本人確認書類2点による認証を経た後、自身の氏名や生年月日等を入力し、クレジット等で手数料を支払うと自身の信用情報がスマホか郵送で開示される流れになっている。
日本信用情報機構によると、今年3月24日から4月1日までの間にあった数件の開示請求について、偽造された本人確認書類を使って請求が行われていることが判明したことから過去の請求について調べたところ、開示済みの16件について本人確認書類の偽造による不正な申し込みだったことが判明、本人とは異なる第三者に情報を開示していたことが明らかになったという。日本信用情報機構では調査を継続して行っていることから今後、流出件数が増える可能性がある。
流出データによる不正行為の有無については明らかにしていない。日本信用情報機構は、アプリを使った信用情報の開示サービスを停止しデータが流出したとみられる個人に個別で確認するとともに金融庁に報告、警察にも相談をしているとしている。
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