北朝鮮ITワーカーによるアニメ制作とKADOKAWAグループへのサイバー攻撃

ニコニコ動画をはじめ6月8日未明からウェブサイトが利用できない状態が続いているKADOKAWAグループ。前日の6月7日にはKADOKAWAが関係している7月公開予定のアニメについて、北朝鮮のITワーカーが一部の制作を下請けしていた可能性が排除できないとする発表が製作委員会からあった、

株式会社KADOKAWA(東京都千代田区)のリリースによると、6月8日土曜日の未明よりKADOKAWAグループの複数のサーバーにアクセスできない障害が発生、サイバー攻撃を受けた可能性が高いという。障害が起きているのは「ニコニコサービス」全般、「KADOKAWAオフィシャルサイト」、「エビテン(ebten)」などで情報漏洩の有無について調査を進めているという。KADOKAWAグループのウェブサイトの障害は6月12日においてもなお続いている状況だ。

KADOKAWAグループのウェブサイトに障害が起こった6月8日の前日、6月7日には7月から放送が予定されているアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」の一部制作において、北朝鮮のITワーカーが関与した可能性が排除できないとする発表がアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」製作委員会からあった。製作委員会は北朝鮮のITワーカーによって制作された可能性のある部分をすべて国内で作り直して放映することも明らかにした。このアニメは、KADOKAWAが発行しているMFブックスで書籍化されたネット投稿小説が原作だ。現在、MFブックスの公式サイトも閲覧できない状態が続いている。

KADOKAWAが書籍化した小説のアニメ化にあたり、その制作の下請けを北朝鮮のITワーカーが行った可能性が排除できないため問題の箇所について作りなおすという発表があった直後からKADOKAWAグループ全体に対するサイバー攻撃がはじまったわけだが、今のところこの2つの出来事を結びつける情報はない。よって7日のアニメ製作委員会の発表がKADOKAWAに対するサイバー攻撃と関係があるとは言えない。しかし、2014年に起きたソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング事件では当初、攻撃者は不明だったが、その後、金正恩暗殺を描いたソニー・ピクチャーズエンタテインメントのコメディ映画「ザ・インタビュー」を非難する北朝鮮のハッカーが攻撃を行ったとの見方が濃厚となり、北朝鮮は否定しているもののFBI(米連邦捜査当局)は北朝鮮が関与したと断定している。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへの攻撃では、従業員の個人情報や未公開の映画のコピーなどさまざまなデータが流出しており、KADOKAWAが現在、情報漏洩の有無について調査を進めていることも気になる。

■出典

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000014844.000007006.html

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