Googleがサイバーセキュリティ企業のMandiantを買収へ

Googleがサイバーセキュリティ企業のMandiantを買収する意向であることを発表した。MandiantもGoogleによる買収を発表していることから買収は確実とみられる。買収金額は約54億ドル。MandiantはFireEye傘下であったが、FireEyeの売却にともない昨年独立、その後の動向が注目されていた。MandiantはGoogle Cloudに参加するという。

マンディアントの買収についてGoogleは、Google Cloudの既存のセキュリティを補完するものだとしていて、「マンディアントは、戦略的セキュリティアドバイザリーおよびインシデント対応サービスのリーダーとして認められており、サイバーセキュリティの最前線で得られたリアルタイムで詳細な脅威インテリジェンスをもたらす。この買収は、Google Cloudのクラウドネイティブセキュリティ製品と組み合わせることで、企業がセキュリティライフサイクルのすべての段階でグローバルに保護され続けるのに役立つ」としている。

Mandiantは、2004年にRed Cliff Consultingとして設立され、2006年にMandiantに商標が変更された。持続的標的型攻撃(APT)に対する先駆的な調査・分析で知られ、2013年2月に同社が発表したAPT1に関するレポートはサイバースパイ活動における中国の国家的な関与を初めて具体的に指摘し大きな反響を呼んだ。同年10月には独自のサンドボックス技術をもつサイバーセキュリティ企業のFireEyeによって約10億ドルで買収された。

 しかし、昨年6月、FireEyeが、FireEyeの名称を含む同社の製品事業をSymphony Technology Group(STG)が率いるコンソーシアムに約12億ドルで売却する契約を締結、これに伴いFireEyeのネットワーク、Eメール、エンドポイント、クラウド・セキュリティ製品と、関連するセキュリティ管理およびオーケストレーション・プラットフォームが、Mandiantのサービスから分離され、Mandiantは再び独立した企業としてMandiant Advantageプラットフォームによる脅威インテリジェンスの分析、専門知識の提供を手がけ、FireEyeはサイバーセキュリティ企業のMcAfeeと統合されて新会社、Trellix(トレリックス)となった経緯がある。

 独立したMandiantに対しては、マイクロソフトが買収を検討しているとの報道がなされるなどその動向が注目されていた。Mandiant は先月、AIによる自律型XDR(Extended Detection and Response)プラットフォームを提供しているサイバーセキュリティ企業のSentinelOneと戦略的提携を結んだことを発表したばかりだが、Googleの傘下に入ることになったようだ。買収は今年後半に完了する予定だという。

■出典

https://www.googlecloudpresscorner.com/2022-03-08-mgc

https://www.mandiant.com/company/press-release/mgc

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