2013年10月にFireEye社に約10億ドルで買収されたMandiant。買収後はFireEye社のサイバーインテリジェンスを担うブランドとしてその名称が使われてきたが、FireEye事業のSymphony Technology Group(STG)への売却に伴いMandiantが企業として復活した。
Mandiantは、2004年にケビン・マンディア氏によってRed Cliff Consultingとして設立され、2006年にMandiantに商標変更された。2013年2月にAPT攻撃(持続的標的型攻撃)に関するレポートを発表し、サイバースパイ活動における中国の国家的な関与を初めて具体的に指摘したことで大きな反響を呼んだ。その後、同年10月にFireEye社に約10億ドルで買収され、以降はFireEye社のサイバーインテリジェンス部門のブランドとしてMandiantの名称が使われてきた。
しかし、今年6月にFireEye社は、FireEyeの名称を含む同社の製品事業をSymphony Technology Group(STG)が率いるコンソーシアムに12億ドルで売却する契約を締結したことを発表、これに伴いFireEyeのネットワーク、Eメール、エンドポイント、クラウド・セキュリティ製品と、関連するセキュリティ管理およびオーケストレーション・プラットフォームが、Mandiantのサービスから分離され、Mandiantは実質、Mandiant Advantageプラットフォームによる脅威インテリジェンスの分析、専門知識の提供に集中することになった。
これを受けて今回、FireEyeからMandiantに社名が変更されたもので、Mandiantの最高経営責任者(CEO)は、Mandiantの創業者でFireEyeの最高経営責任者だったケビン・マンディア氏が引き続き務める。Mandiant社の本社は米カリフォルニア州ミルピタス。また、これに伴い日本法人のファイア・アイ株式会社もマンディアント株式会社に変更された。
Mandiant最高経営責任者のケビン・マンディア氏は「社名をMandiantに変更することは、すべての組織がサイバーディフェンスに自信を持てるようにするという当社のミッションに合致するもの」と話しており、また、Mandiantの社長兼最高執行責任者のジョン・ワッターズ氏は「Mandiantは、攻撃のライフサイクルについて他に類を見ない見解を持っています。マシン・インテリジェンス、攻撃者インテリジェンス、侵害インテリジェンス、および運用インテリジェンスをさまざまなソースから収集して組み合わせることで、セキュリティチームは組織が直面している脅威について理解を深め、プロアクティブな防御へとシフトし、重要資産の保護が可能になります」などとしている。