ロシアのサイバーセキュリティ企業、Group-IBの創設者兼CEOがモスクワで逮捕される

 シンガポールに本社を置くロシアのサイバーセキュリティ企業、Group-IBの創設者兼CEOのイリヤ・サチコフ氏がモスクワで逮捕されたと複数のメディアが伝えている。容疑は反逆罪だという。

Group-IBの創設者兼CEOの拘束を伝えるロシアメディア

 ロシアのメディアRTVIはイリヤ・サチコフ氏が9月28日に拘束されモスクワの同社事務所が捜索を受けていると報じている。ロシアのメディア報道によると、イリヤ・サチコフ氏は刑法275条(反逆罪)が疑われており、モスクワの裁判所は11月27日までイリヤ・サチコフ氏の拘束を認めたという。また、刑法275条(反逆罪)の刑期は最大で懲役20年だという。BFM.ruはタス通信の報道として、イリヤ・サチコフ氏がデータを外国の諜報機関に転送した罪を認めていないとの情報筋の話しを伝えている。

 ロシアRTVIによると、イリヤ・サチコフ氏はロシア下院、ロシア外務省、欧州評議会、OSCE(欧州安全保障協力機構)のサイバー犯罪分野の専門家委員会に参加しており、プーチン大統領とは3回会談している。2012年に外傷性武器の使用により拘束されたことがあるようだ。Group-IBをめぐっては、同社アナリストがハッキングされた米国企業のデータを販売しようとしたとして米司法当局に起訴された事件もあったようだが、これはアナリストがGroup-IBに入社する以前の犯行で、Group-IBに直接関係しているというわけではないようだ。

 Group-IBは、イリヤ・サチコフ氏の拘束について、リリースで「無実に自信をもっている」と表明しているが、告発や事件の内容についてのコメントは控えている。現在、CEOのイリヤ・サチコフ氏に代わり共同創設者のドミトリー・ボルコフ氏が経営を担っており、営業は通常通り行われているようだ。Group-IBは、シンガポールに本社を置き、サイバー攻撃の検出と防止、オンライン詐欺の特定、ハイテク犯罪の調査、知的財産保護を専門とするソリューションの大手プロバイダー。同社の脅威インテリジェンスおよび研究センターは、中東(ドバイ)、アジア太平洋(シンガポール)、ヨーロッパ(アムステルダム)、およびロシア(モスクワ)にあり、Europol(欧州刑事警察機構)やInterpol(国際刑事警察機構)とも協力関係にある。

■出典

https://rtvi.com/news/gendirektor-group-ib-zaderzhan-po-podozreniyu-v-gosizmene/

https://www.forbes.ru/news/441425-osnovatela-group-ib-arestovali-po-delu-o-gosizmene

https://www.bfm.ru/news/482471

https://therecord.media/group-ib-founder-arrested-in-moscow-on-state-treason-charges/

https://www.cyberscoop.com/group-ib-nikita-kislitsin-indicted-formspring-nikulin/

https://www.group-ib.com/media/official-statement-sachkov-innocence/

 

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